さて、前述のとおりToronto BlueJaysはWhiteSoxを破ってリーグ優勝を果たし、World Series進出となりました。ここでJaysがどんなチームだったのかちょっと触れておきましょうかね。この年のJaysは1980年代中頃のようなHRだけをガンガンかっ飛ばすようなチームではなくなっていて、投手陣はPat Hentgen(19-9, 3.87)、Juan Guzman(14-3, 3.99)、Dave Stewart(12-8, 4.44)、Todd Stottolemyre(11-12, 4.84)やJack Morris(7-12, 6.19)といった安定した先発から右のセットアッパーMike Timlin(4-2, 1sv, 4.69)や左のAl Leiter(9-6, 2sv, 4.11)をはさんで剛速球クローザーDuane Ward(2-3, 45sv, 2.13)につなぐパターンがあった。また、打撃陣もJohn Olerud(.363, 24HR, 107RBI)、Paul Molitor(.332, 22HR, 111RBI, 22SB)、Roberto Alomar(.326, 17HR, 93RBI, 55SB)がAmerican Leagueの打率1~3位を占めるほど打ちまくり、4番Joe Carter(.254, 33HR, 121RBI)がホームランをかっ飛ばす。そして、Alomarも含めDevon White(.273, 15HR, 52RBI, 34SB)と途中加入のRickey Henderson(.289, 21HR, 59RBI, 53SB)が走りまくるという非常にバランスのとれたチームでした。

対するNational Leagueのチャンピオンは荒くれもの集団のPhiladelphia Phillies。打者ではDykstraやKruk、投手では"Wild Thing" Williamsなんていう一筋縄ではいかない無茶苦茶な選手がごろごろ。でも、それだけじゃなく、Mulholland、Jacksonや2006年現在も現役で活躍しているSchillingといった強力な先発投手も揃ってる訳分からんチーム。でも、非常に魅力的なチームだったかな。

記念すべき第1戦はJays先発のGuzmanが初回にいきなり2失点と最悪のスタート。その後、Jaysが追いつけば、すぐに突き放されるという嫌な展開になるも、6回裏についに1点勝ち越し。また、7回には3点追加して第1戦を8-5で勝ち、世界一まであと3勝となる。続く第2戦は先発Stewartが3回につかまり5失点。その後4点返すも結局は4-6で負けてしまう。

Philadelphiaに移動しての第3戦は13安打10得点とJays打線が爆発。投げてはHentgenが6回を散発5安打1失点と抑え、10-3で勝利。Philadelphiaでの試合の時は残念ながらTV観戦。なんか一人で騒いでましたね。次の第4戦は両チーム合わせて32安打29得点といったとんでもない乱打戦。取って、取られてで15-14とJaysの逆転勝ち。いやー、無茶苦茶だよね。でも、これで通算3勝1敗といよいよ王手となるが、続く第5戦はGuzmanとSchillingの投手戦で0-2の負け。Schillingにシャットアウトされ、トロントに戻ることになった。

10月23日、トロントに戻っての第6戦。なんとかここで決めておきたいJaysは初回Phillies先発のMulhollandを攻め3-0とすばらしい滑り出し。その後、4回に1点返されるも、その裏にツーベースで出たAlomarをSpragueが犠牲フライで返し4-1。続く5回にもMolitorがソロHRを放ち5-1と徐々に突き放していく。先発Stewartはここまでいいピッチングをしていたので楽勝だ!と思っていたが悪夢は7回に訪れる。Stewartが突如崩れ、四球、ヒットの後に3ランHRをくらい5-4とされ降板。続くCoxもヒット、四球で1失点し同点にされ、なおも満塁のピンチを作ってLeiterに。ここで、Philliesの代打Incavigliaが犠牲フライを打って残念ながら5-6と逆転を許す。せっかくの楽勝ムードがこの有様。流れは完全にPhilliesに行き、1点ビハインドで迎えた9回裏、Philliesのマウンドには抑えのエースMitch Williamsが登った。Jaysは先頭のHendersonが四球を選んで出塁。続くWhiteは凡退するも、3番Molitorがヒットで続く。ここで4番Joe Carterの登場。52,195人の観衆が見守る中、Williamsが投じた2ストライク2ボール後のスライダーをCarterがひっぱたき、逆転サヨナラ3ランHR!な、なんと劇的な幕切れ!BlueJaysの2連覇が決まった瞬間だ。

生でBlueJaysの試合が観たいという夢をもってトロントにやってきた僕は、なんとWorld Seriesまで観ることができるというすばらしい体験ができた。前年の1992年にWorld Series初制覇してたんで、実はこの時まではトロントに滞在する年を間違えたぁって思ってました。だって、2連覇なんて至難の業でしょ。でも、1993年にトロントにいて本当によかったぁ。最高の瞬間でした。で、この後はダウンタウンに繰り出して大騒ぎ。バスの屋根に乗って踊ってる若者はいるし、Yonge St.沿いのお店のガラス窓が割られるしでもう大変。隣にいた僕の友達は誰かが投げたゴルフボールがこめかみに直撃し☆★を出してしばらく蹲ってました(僕にあたらなくて良かった…)。結局夜中まで騒ぎ、僕は夜中の3時ごろにダウンタウンからEglinton Westの自宅まで歩いて帰ることになりました。安全な街とはいえ、僕も無茶苦茶やってるよね。

最高の優勝決定から一夜明け(といっても私は朝帰りだったのであんまり明けた気はしてませんでしたが)、いきなり優勝パレードがあるという情報をキャッチ。早速Downtownに出かけました。

いやー、すごかった。人、人、人。トロントにこんなにたくさん人住んでたっけ?っていうくらいの人の山。もう記憶がないんだけど、ニュースで発表してたパレード見学者の数はすごい数だったと思う。警官が道路の脇に一応たっているんだけど、日本の優勝パレードのように物々しく厳重に警備しているわけじゃないから選手に近づけるのがすごく良かった。だからRickey Henderson、Paul Molitor、John Olerud、Roberto Alomar、Devon White、Dave Stewart、Pat Hentgen、Duane Ward、Rob Butler、Pat Borders、そして昨晩のヒーロー Joe Carterと握手をすることができました。最高!

このパレードの最終目的地は当然ながらSkydome(現Rogers Centre)。僕はSkydomeには行かなかったけど、そこでもかなり盛り上がり、各選手から一言コメントがあったようです。 行けば良かったかなぁとちょっと後悔かな。でも、多分もう入れなかったと思うけどね。

BlueJaysのワールドシリーズ制覇という最高の幕切れで野球シーズンが終わり、僕のここまでのトロント滞在は大成功となりました。ちょっとした達成感で腑抜けになりかけましたが、まだまだこれだけでは終わりたくありません。せっかくカナダまで来てるんだから、トロント以外の街も見てみたいなということで、9月のシカゴに続いて旅行を計画。日本にいる時から行ってみたいと思っていた、モントリオールケベックに行くことにしました。英語を公用語とするトロントと違い、モントリオール、ケベックはフランス語圏。第二外国語でフランス語を勉強した成果を発揮できるか?!