1993年7月31日」、カナダ出発の日。

なんといっても大昔からの夢が実現するわけだから、お気楽な僕は希望に満ち溢れてる。もうこのときは、「早くカナダに行きたい!」これしか考えてないんだよね。

まぁ、今の僕があるのはこのカナダ滞在があったからで、つまり「1993.7.31」という日は僕にとって大事なスタートの日なんだ。

よーく考えてみたらこのトロント行きが生まれて初めての海外旅行で、飛行機に乗るのも小学生のとき以来2回目。機内サービスということで外国人のフライト・アテンダントさんがドリンクを持ってきたり、食事を持ってきたりとサービスをしてくれるんだけど、正直なところ何言ってんのかよくわからない。そうそう、お気づきのとおり僕は英語できなんだよね。

実は、出国1週間前に「あれ?そういえば英語できないや」と基本的なことに気付き、友達と一緒に「1週間でできる英語の本を探せー!」って本屋を探し回ったくらい。ただ、残念ながら当時は「10日でできる英語の本」はあったけど、1週間はなかったんだよねぇ。で、「うわぁ、まずいなぁ、1週間ものはないや」と途方に暮れた次第でした。まぁ、1週間も10日も変わらんと思いますが、それだけ切羽詰ってたんで、この違いが50歩100歩だということすら気付きませんでした。

で、飛行機の中では何を聞かれてもお得意のスマイル!これが噂の”Japanese Smile”だーとばかりにスマイルの連発。フライト・アテンダントさんは適当な料理を置いていくのであった・・・。まぁ、「肉がいいですか?魚がいいですか?」って聞いてるだけだから、今考えればとっても恥ずかしい。隣に座ってた高校生のガキはといえば、僕が話しかけても一言返しては沈黙なのに、フライト・アテンダントさんとは余計なことまで英語でペラペラ。何もそんなに見せ付けなくてもいいじゃないか。

なんとまぁ、先行き不安な英語力ですなぁ・・・。

飛行機に乗ること10数時間(すっごく長かった記憶しかないもんで・・・)、やっとトロント国際空港に到着。「入国の手続きはとっても簡単!」なんて本に書いてあったから、なんとかなるだろうと思ってたのにここでも英語力がすばらしい後押しを・・・。よくはわからんがすんなりはいかず、「あっちに行け」と遠くを指差される。面倒くさいなぁと思いつつも、異国の地で文句たれて暴れるほどの度胸もないのでしぶしぶと移動。紙に書いてもらいながらの会話が始まるのであった。その後、何度も旅行には行ってるけどこんなにいろいろ聞かれたことはない。このときのビザが「ワーキングホリデー・ビザ」だったからかなぁ。

そんなこんなでたっぷりと入国の歓迎をされた後、やっとロビーへ。ここで、ホームステイ受け入れ業者がピックアップしてくれることになっている。ぱーっと見渡した感じではそれらしい人はどこにもいない。「おかしいなぁ、あまりに出てくるのが遅かったから帰っちゃったかなぁ」なんて呑気に考えながらもだんだん不安になってきた。とそのとき、「Tatsuya?」と声をかけてくるカナダ人女性約一名 。手には”Tatsuya”のプラカードを持っている。おいおい、受け入れの人って日本人じゃないのかよーなんて思いながらもほっと一息ついたのであった。

後は 彼女の車に乗り込んでホームステイ先まで30~40分をぶっとばす。車中彼女はいろいろと話しかけてくるが、案の定話ははずまない。すばらしきかな僕の貧弱な英語力!勉強してくりゃ良かったと思ったものの、もう一人の僕は「住んでりゃそのうち覚えるって」とお気楽に語りかける。で、夜8時、ようやくホームステイ先に到着し暖かく迎えられるのであった。

暖かい歓迎から一夜明け、期待していた時差ぼけもなく目覚める。”Good morning”と居間にいるファミリーに声をかけると6歳のThomasと1歳のEmma、そしてBonny(犬)が飛びついてくる。おー、これがホームステイの雰囲気だーなんて感激しながらしばし談笑。日曜日ということもあり、この後はみんなでどっかに行くのかなぁとの楽しい想像もつかの間、Mrs.Gregoryが一言。「Tatsuya、ダウンタウンにでも行ってらっしゃい」・・・。あれ?”行ってらっしゃい?!”おいおいおい、僕のストーリーとちゃうやんけ!ここは「みんなで湖に行きましょう」だろ?心の中ではこう思いながらも、言葉がでてこない。もごもごしている僕にもう一言「行ってらっしゃい」。この時、明るいホームステイライフがガラガラと音を立てて崩れていくのであった。

気を取り直して単身ダウンタウンへと向かうものの、どこに何があるのかさっぱりわからん。こんな時のガイドブックとばかりに、日本人観光客なら誰もが持ってる「地球の歩き方」を取り出す。この本を持っていると狙われやすいと聞いていたのでなるべく人前では出したくなかったんだけど、何もわからずやばい場所に行くほうがまずいんじゃないの?ということで読書に入る。が、どーでもよくなってしまったのでとりあえず「一番高いところに行って街を見渡してみるか」ということにした。で、いざ世界No.1の建物、CNタワーへ。

いやー、気持ち良いね。高いよ、本当に。CNタワーから我がToronto BlueJaysの本拠地SkyDome(今はRogersCentreっていうらしい)、オンタリオ湖、ダウンタウンを見下ろして爽快な気分になる。晴れてるときはオンタリオ湖の向こう側にアメリカの都市バッファローまで見えるって言うからその高さも想像を絶するものだ(詳しい解説はガイドブックをみてね)。上の写真のあたりが一番栄えてる所だろうってことで次のターゲットに決めて、Dundasのイートンセンターまで向かうことにした。なんたって、虎の巻に「ショッピングはDundasのイートンセンターで」って書いてあるからね。

イートンセンターはでかい。そして、何でも揃ってる。ただ、おいてる物がやや大味でちょっと僕の趣味に合わなかったけど。まぁ、一人暮しを始めたときの家具なんかはここで結構揃えたんでやっぱりお世話になりましたってところでしょうか。そんな感じで、ダウンタウン探険初日は無事に終わったのであった。


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まだ書いてなかったけど、僕のトロント滞在の最大の目的は語学力向上でも、異文化に触れてどーたらこーたらでもなんでもない。ただ単に「Toronto Blue Jaysの試合を生で見たい」という中学生の頃からの夢を実現させること、これだけ。とはいえ、この英語力はやばいっていうんで、語学学校で一ヶ月間軽く勉強することにしていた。まぁ、普通の人間の考えそうなことだよね。で、いよいよ登校初日。明るいホームステイライフは崩れかけてはいたが、Mrs.Gregoryはやさしく学校への行き方を教えてくれた。何よりも親切だったのは、「Eglinton駅でおりたら十字路だから気をつけて!でも、この角に銀行があるから、この道をまっすぐ行けば大丈夫」とわざわざ地図を書いてくれたこと。方向音痴の僕もこれなら安心さ!

さて、駅を降りて十字路に出てビックリ。4つの角の3つに銀行があるじゃないか。Toronto Dominion Bank、Royal Bank of Canada、CIBC、は、はめられた・・・。もしや、「この角だけには銀行がないから」の間違いではと自らの英語力をうたがったが、地図には”BANK”の文字が光っている。あのやろ~。

こうなったら勘で行くしかない、といきたかったところだけど、僕は知る人ぞ知る方向音痴。じっくりとあたりを観察し、ついに日本人を発見。”こいつも語学学校の生徒っぽいな”と判断し、後をつける。我ながらナイス・ジャッジだ。後をついていくこと、10分未だ到着せず・・・。た、たしか、駅を降りて5分もかからないって言ってなかったっけ?と思いつつも僕の頭はすでにMrs.Gregoryを信用していない。信じられるのは自分だけさと前の少年の後をついていく。 と、その時、目の前に学校発見!やっと着いたーとホッと一息ついたときに僕の視界に入ってきたものは「~college」おーいおい、ちゃうやんけー。やっちまった。「なぁなぁ、君、僕はHansa Language Centreに行きたいんだけど、どっちだい?」最初から、おとなしく少年に聞いておけば良かった。が「○▼※☆■」僕は少年の言葉がわからない。あー、君は日本人じゃなかったんだね・・・。

まぁ、登校初日からハプニングありだが早めに行く性格が功を奏してちゃんと時間前には到着。で、Hansaはといえば、夏休みを利用した語学研修にきた日本人がうじゃうじゃ。 その中の数人と自然と仲良くなり、放課後にお茶を飲みながらの情報交換と今後の企画検討にはいる。 で、やっぱりナイアガラの滝をみないことにはカナダを語れないだろうってことで週末の予定はバシッと入ったのであった。こうして、登校初日は浮かれ気分で幕をおろし・・・たかった。

ステイ先に帰るとMrs.Gregoryが怒っている。「Tatsuya、何時だと思ってるの!?今日はもう夕飯なしよ」「 あのー、まだ20時前なんだけど・・・。」「うちの門限は18時です。守れないならでてってちょうだい」な、なんてこったい。やっぱり明るいホームステイライフはなかったのである。

そんなわけで、ナイアガラの滝へ。Dundas Station近くのバスディーポからGray Coach Lineに乗って2時間くらいだったかな?(記憶が定かではないので・・・)世界最大の観光地ってことなんで一度行ってみるといいよ。絶対に損はないから。

ちょっとこの写真ではすごさが伝わらないかもしれんけど、手前の観光船(Maid of the Mist:霧の乙女号)を見てもらうと滝の大きさがわかるんじゃないかな?結構大きな船なんだけど、こんなに小さいもんね。ちなみに、僕もこの観光船に乗って滝の近くまで行きました。もう、すっごい迫力!水飛沫で顔、髪はびっしょり濡れましたが。

この後はお決まりのコース。もっと近くから滝をみよう!と Scenic Tunnels(シーニック・トンネルズ)へ。これは、岩に掘ったトンネルをとおって、滝の裏側から見てしまおうっていうもの。Maid of the Mistから見るのもすごいけど、さらに近くから見れるここは大迫力!爆音と水煙でしばし呆然っていう感じだね。下の写真はこれからトンネルに入るぞ!っていう場面。

トロントに来て最初の観光は大きな滝の迫力に圧倒され、かつ感動した。実は、ナイアガラにはトロントを離れる直前(冬)にも行ったんだけど、その時は夏のナイアガラとはまた違った雰囲気があったね。観光シーズンじゃないから人があんまりいなくてさびしげっていうのもあるし。まぁ、このことは、そのうち書きます。

1993年8月11日。つ、ついに、夢が実現!普通の人にとってはただの野球でも、僕にとっては特別な野球。この日、カナダ行きの目的が達成された!

世界で一番高い建物の下にあるSKYDOME。 僕の大好きなBlueJaysの本拠地だ。BlueJaysは長いメジャーリーグの歴史の中では新しいほうの球団で、創設は1977年。初めのうちはずーーーっと最下位争いのお荷物球団だったけど、徐々に強くなりついに1992年にWorld Championに!そして、僕がトロントに住んでいた1993年も快調に飛ばしていた。だから、球場は連日超満員。・・・ということは、チケットが手に入らないということか。

東京ドームに行ったことがある人はわかるよね?カナダだって日本と一緒。球場周辺にはいかにもって感じのおじさん方が手に野球のチケットを持ってうろうろしている。正規の購入方法でチケットを入手できなかった僕たちが野球を見るための手段は1つ。彼らダフ屋からチケットを買うこと。英語のできない僕はダフ屋との交渉は行わず、写真の両脇にいる二人が交渉に。確か$11の5階席のチケットをなんとか$40まで値切って手に入れた。まさか、このときには1ヶ月後に僕が逆の立場になっていようとはとても想像できなかったね。

あ、そうそう、肝心の試合はエースGuzmanとストッパーWardが好投して4-2でJaysの勝利!衛星放送で彼らのピッチングは見ていて、そのスピードボールの威力は知ってたけど、本当に速い!150Km後半の剛速球はすごかった。こうして僕の『ベースボール観戦旅行』は幸先のいいスタートをきったのであった。ちなみに、僕は写真両脇の二人の日本人の名前を覚えていない。これしか写真がなかったから載せちゃったけど、気に入らなかったら連絡ちょうだい。